棚ぼたのあなた / 感想・レビュー

今回、紹介する韓国ドラマは「棚ぼたのあなた(넝쿨째 굴러온 당신)」です！

2012年、KBSにて放映されました。全58話。最高視聴率40%を超える国民人気ドラマとして、Korea Drama Awards、APAN Star Awards、KBS Drama Awards等で数々の賞を総なめにしました。主人公の夫役をつとめたユ・ジュンサン(유준상)は｢国民の夫｣の愛称で親しまれまれました。日本ではBSテレ東などで放映されました。

昔から家族文化のしがらみのない結婚を夢見ていた主人公のチャ・ユニ。幼少期に米国に養子に出され、有名医大を卒業した優秀な医師、テリー・カンを夫に迎え、家族が会する伝統行事などにも振り回されることなく、悠々自適の日々。しかし、夫の実の家族が見つかったことでそれまでの順風満帆の生活が一変します。なんとその家族は引っ越したアパートの目の前に住んでいました！突如として義理の両親、義理の姉、妹たち、そして義理の叔父夫婦まで、蔓のように家族として舞い込んできた主人公の境遇はいかに？コメディーチックで心温まるホームドラマです。

BSで放送されていたのを偶然見たのをきっかけにレンタルして一気に観ました。1話あたり1時間、全58話の長編ドラマですが、飽きないストーリー性とコミカルかつシビアな展開が魅力のドラマです。主人公のチャ・ユニは気が強く、ドラマ制作PDとして働くバリバリのキャリアウーマン、夫のテリー・カンはエリート大卒の医者で、性格良くてイケメンなど、羨むようなスペックを持った夫婦です。

ドラマは主人公の夫婦がとあるアパートに引っ越す所から物語が始まりますが、なんと目の前の部屋は夫の実の家族が住んでいる所でした。まさか新しく引っ越してきた住人が失踪した実の息子とその嫁だとは思いもよらず、住居のルールのことで揉めたり、隣人としてトラブル続きの関係で、観てる側としては、面白おかしく感じましたが、実際にそんな状況になったら悲惨ですね(笑)

父親役のチャン・ヨンは、まさに｢THE 父親｣といった雰囲気の役者さんで、他のドラマでも父親役として出演したりしています。ドラマでは、口数は少ないものの、真面目で、仕事に一生懸命で、一昔前の理想の父親といったタイプでしょうか。生き別れた息子と分かって泣きながら抱擁する場面には管理人も思わず涙が出ました。

テリーにとっては、生き別れた家族との再会は願ったり叶ったりでしたが、主人公のユニにとっては、不快に感じていた隣人がまさかの夫の家族とあって、複雑な心境を抱えたまま新しい生活が始まります。ドラマを見て勉強になったのは、韓国文化における家族間の呼称やしきたりなどです。テリーは養子として米国で育ったこともあり、考え方などは完全にアメリカナイズされています。韓国における慣習やしきたりを知るはずもなく、家族関係はもちろん、仕事先での人間関係などでも、アメリカ流を通すテリーがコミカルに描かれており、とても面白かったです。

もう一人、管理人が推す役者は、財閥の息子で3女が働く店の店長を演じたイ・ヒジュンです。自分の恋を成就させるために店長としての職権をいかんなく濫用するちょっとイタい性格ですが、なんとも憎めないキャラに描かれており、イ・ヒジュンはこのドラマで男性新人賞も受賞しています。