秘密の森 / 感想・レビュー

今回、紹介する韓国ドラマは「秘密の森(비밀의 슾)」です！

tvNにて、2017年にシーズン1が、2020年にシーズン2が放送されました。全32話。2018年の第54回百想芸術大賞にて、テレビ部門の大賞、主人公役を務めたチョ・スンウ(조승우)が男性最優秀演技賞、そして脚本賞を受賞しました。日本では、BS-TBS、Netflixで放送され、現在、シーズン3の撮影も企画されているそうです。

ソウル西部地検に勤めるファン・シモク検事はとても優秀ですが、幼い頃に受けた脳手術の影響により、感情が欠落しており、どこか冷たい印象が漂う人物です。そんなファン検事が、ある事件の捜査をきっかけに、検察や警察、世論を巻き込みながら、担当の刑事たちと協力し合い、真実を暴いていく物語です。そこで繰り広げられる権力闘争、韓国社会が抱える闇、どんでん返しの結末など、スリルたっぷりの犯罪サスペンスドラマです。

以前、別の記事で紹介した｢ウヨンウ弁護士は天才肌｣というドラマは、原告被告を問わず、依頼人を弁護する立場でしたが、｢秘密の森｣は被告の罪状を告発・立証する立場にある検事が主人公の物語です。検事というと、法廷で被告側弁護士とやり合っているイメージですが、実は警察から送致された刑事事件に関して、証拠を集めるための現場捜査や、犯人の取り調べなども行うらしいです。捜査は警察がやるものだと思っていましたが、どうやら、一次的な捜査は警察が担当して、その上で検察がさらに二次的な捜査を行い、最終的に起訴するかどうかを判断するとのことでした。立場的には現場の指揮権を持っている検察が上のようですね。そういった上下関係もある中で、やはりお互い対立する場面もあったりして、現実における組織間の対立がリアルに描かれています。

ストーリー自体は、サスペンス的な要素が強いですが、要所要所に人情味が滲み出る作品となっており、心が温かくなる場面もあります。また、新人の検事役を務めたシン・ヘソン(신혜선)は、名実共に演技派女優としてのポジションを確立し、次作である「黄金の私の人生」の主人公役にも抜擢されることになりました。「黄金の私の人生」についても、別記事で載せていますので、そちらも良かったら読んでみてください！